2027年、創立150周年を迎えるにあたって

   理事長 大澤 眞木子

立教女学院は、来年2027年、創立150周年を迎えようとしています。1877年(明治10年)、アメリカ聖公会から派遣されチャニング・ウィリアムズ主教によって、数名の生徒から始まった本学院は、以後、1世紀半にわたり、キリスト教に基づく教育理念のもと、以下のような考えをもって、次代を担う女子の教育に努めてまいりました。
立教女学院では、人はみな神の前で等しく尊厳あるいのちを授かった者であるという人間観を大切にしております。そして教育の大事な目的は、 一人ひとりの児童・生徒に与えられた賜物を、各自の心身の発達にふさわしい形で十分に育み、開花させ、自己確立を促すことであると考えております。
女子校は、ジェンダーバイアスの掛からない自由な雰囲気の中で、自分に素直な認識方法を尊重し、自らの興味・関心を肯定的に捉え、女性の特性のみならず男女が共有している能力をも十分に開花させ、個性豊かな自己確立を促す好ましい教育環境にあります。そうした環境のもと、児童・生徒は、日々の学びのみならず折々の課外活動、さらには日常の学校生活の何気ない活動にいたるまで、自分たちの創意工夫によって、表現力・企画力・組織力・リーダーシップなども次第に身につけながら成長しております。
さらに立教女学院には数多くの女性教職員が勤務し、学内のさまざまな職務を担い、意思決定に参与しております。そのような姿を、いわばロールモデルとして日々目にする機会が多いことは、児童・生徒にとって、自分の将来像と重ね合わせて努力を促す大きな原動力となっていると実感しております。
21世紀も四半世紀が経ち、国家・民族・地域間の対立が一層深まり、自国の利益が優先され、力による支配が広く世界を覆っています。気候変動による自然体系と地球環境の変化、さらには地域間にさまざまな格差が生まれ、争いや貧困の中、多くの人々が今日一日のパンと水とを求めるなど、世界はかつてないほど「いのち」の重みが問われる時代に直面しております。
そのような時代だからこそ、私たちは、女性固有の「いのち」を育むという経験や心情を踏まえつつ、一人ひとりの「いのち」を大切にする教育を行い、「すべての人が平和の裡にその人らしく生きることのできる世界をつくり、担っていく女性の育成」こそが神よりのミッションと受け止めています。
 
立教女学院は、2027年、創立150周年を迎えるにあたり、神より託されたミッションをあらため確認し、キリスト教女子教育の歩みをこれからも続けてまいりたいと思います。

「教育」は「共育」

   院長 髙橋 宏幸

創立者のチャニング・ムーア・ウィリアムズ主教の信仰の姿を伝える言葉「道を伝えて、己を伝えず」が残されています。この言葉からさらには「God First, You Second, I Third」という言葉が浮かびます。決して自分を蔑ろにすることではなく、いのちの働きである神を尊び神に仕え、他者を尊び仕えることが、自らをも尊ぶことにつながるのではと思います。

キリスト教教育、広く宗教教育とは「いのちの教育」、すなわち授かりものであるいのちへの感謝、関心、つながりなどというものを自らの糧としていくものであると思っております。

そして、英語のEducationの語源であるラテン語では「引き出す」という意味があります。何かを教え、注ぐこともさることながら、すでに与えられ、注がれているものに気付きあうことの大切さも思います。その意味で、「教育」は「共育」という、共に育て合う、育ちあうこと、微力ながらその下支えに仕えることが出来ますなら大きな感謝です。

どうぞ、よろしくお願い申し上げますとともに、皆さまのご健康をお祈り申し上げます。